一生に一度にふさわしい住まいの選び方
2025.05.24

― 建築家が伝える、後悔しない判断軸 ―
「家づくりに後悔はつきもの」とよく言われます。
ですが、その後悔の多くは“知らなかった”ことから始まっているのも事実です。
私たちリノデザインは、設計事務所としてお客様と密に関わりながら、マンション・戸建・別荘などの新築住宅設計・リノベーションに携わってきました。
その中で繰り返し感じるのは、「判断軸を持っているかどうか」で住まいの満足度は大きく変わるということです。
今回は、“一生に一度の住まい”を考える上で、本当に大切にしてほしい3つの判断軸を建築家の視点からお伝えします。
【1】「何を優先するか」を言語化する
「広さ」「立地」「設備」――すべてを叶えたいのが本音ですが、現実にはどこかでバランスを取る必要があります。
その際、私たちがまずお願いしているのが「何を一番大切にするか」を夫婦・家族で言語化することです。
例えば、以下のような視点です:
仕事とプライベートを切り替えたい → 書斎や音環境に配慮した設計
- 人を招くのが好き → 玄関・リビング・動線に広さと余裕を
- とにかく静かに暮らしたい → 開口部や断熱・遮音構造の工夫
これを明確にしておくことで、住まいの“軸”が定まり、ブレのない設計が可能になります。
【2】「未来の自分」に寄り添ったプランにする
間取りの正解は、“今の暮らし”だけでは決まりません。
むしろ、「これからどう暮らしたいか」「5年後、10年後の自分たちはどう変化しているか」に思いを馳せることが重要です。
設計の際、私たちはヒアリングで以下のような問いを重ねます:
- 子どもが独立した後の空間はどう活用したいか?
- 将来テレワークや趣味の時間が増えたら?
- 高齢になっても住み続けたいと思えるか?
今の理想と、未来の自分たちの「暮らしのあり方」。
それをつなぐのが、私たち建築家の役割だと考えています。
【3】「建築士の目」で、見えない部分まで確認する
図面やCGパース、設備の仕様書だけではわからないものがあります。
それは、空間の居心地や構造・素材の選定根拠、そして日常の動線です。
リノデザインでは、単に「格好いいデザイン」ではなく、論理性と感性のバランスが取れた空間設計を心がけています。
お客様の価値観やライフスタイルに合わせ、素材の選び方ひとつにも理由があります。
設計者が一緒に寄り添い、納得いくまで何度も図面を見直す。
これこそが、住まいづくりを“プロセスごと楽しめる”時間だと私たちは考えています。
■ まとめ
一生に一度の住まいづくり。
正解は一つではありませんが、**「どう暮らしたいか」→「どうつくるか」**の順で考えることが、後悔しない第一歩です。
そして、家づくりのプロセスそのものが、ご家族の関係や価値観を見つめ直す時間にもなります。
私たち建築士は、設計という形で「迷わない判断軸」を一緒に探す存在です。
主役は私共ではなく、あくまでお客様です。
リノベーションや注文住宅をご検討中の方は、ぜひ一度、私たちとお話してみてください。